「嘘喰い」5巻
ハンサム貘さん。
ハングマンの始まりから終わりまで。この一冊に詰まっているんですね。
最初読んだ時は、あまりにもサクサクと貘さんが負けていくので、ここからどうやって勝つんだ!?と不思議に思ったものです。(貘さんが勝つということには疑いが無い)まぁ梶ちゃんとほとんど同じ目線です。梶ちゃんって本当によく出来た役柄。
2回目読んでみると、ああこの動きやセリフはこういう思惑があったのか、とか、こういう意味だったのか、とかいうことが分かってまた面白い。読み返すほど面白い!嘘喰い!スゴイ!
貘さんの意味深な視線や、「・・・。」がどういう考えに基づいたものだったのかが分かるとスッキリ。
伝説のウィーンジャンケンに始まり(この時の貘さんの顔の憎たらしい(そして可愛らしい)こと!)勝負が始まってトントンと負けていく貘さん。それも思惑通りって顔をして、
いいねぇー 久しぶりだよこういうの
死を目の当たりにしている時ほど…その死がリアルであればあるほど 人は生を実感できる
俺は今とても生を実感している
生きてる〜〜って感じ… 死にたくない… 生きたいって感じだ
そして印象的なこのセリフ
俺は命を賭けるが
死んでもいいなんて一度も思った事はない
…そうなんだ!?と思った。でも生きたい=勝ちたいという気持ちなわけだから、確かに貘さんの原動力といえばソレだよなぁと。
梶ちゃんの肩に顎乗せ貘さんもありました。貘さんの方が梶ちゃんより背が高いのか。廃ビルでおんぶして階段昇るの大変だっただろうな、梶ちゃん…。
そしてわざと連敗して狼狽したふりをして、20分もの長考をして制限時間1分以内を設けることに成功。思惑通り…。(カリッ)
マルコとレオの出会い。マルコまじで子供だな。「先に名乗るのが礼儀」と教える貘さんも良い。「森の樹木が二酸化炭素を浄化する」っていうのはいつ教えたんでしょ。それか森林浴しながら呟いてたのかな…貘さん…。
うまいこと佐田国の死角にカードを隠して残り10秒のところで壊れたカメラに持っていくっていうのはすごいよく出来た技だし、ババを差し出して引かせるっていうのが凄い。その勝負に勝ってから
何だっけー そーいえばさっき誰かが語ってたね
メガネかけた人だったけど
…えーと …いやー 面白いコト言ってたよー
あっそうそう “勝負に運なんかあるかーっ”ってね
と皮肉を言うのがたまらない!!プーヤンはわからないけど!!
その後の目蒲くんへの皮肉もたまらないですね。ラビリンス編で根に持つタイプって言ってたけど本当にそうなのかも?
佐田国のカメラのトリックを完璧に把握できた貘さんはもう止まらない。無双。
でもこの時には読者は何もわからないので、なんか!わかんないけど!凄い!貘さん!ってなる。
ラストゲームのカードが配られたところで(ババは貘さんに配られた)佐田国が「お互い最後のゲームだ!」と怒鳴ったところで「??」となり、「何が起こっているんだ!?」の伝説の一コマ(嘘喰いここにありという象徴的で超カッコイイ場面)で、「!?」となり、その後の種明かしでスッキリ…。なーーーるーーーほーーーどーーー!って感じです。ああ、面白い。本当に面白い。
敗北を知った佐田国の顔がね、もう、ヤバイですね。蘭子じゃないですけど何とまあいい顔するじゃないかですよ。それに比べて「あらら バレちゃった?」の貘さんの顔の美しいことよ。夜行さんのおねだりに応える前のトランプ口に当てて「いいの…?」って顔がね、また、可愛いっていう。「大嘘つきだ!!」の時はドラキュラっぽいな。
でもさぁ、貘さんも自分で言っていたけど、もしババを貘さんが持つターンで数字が全部揃っちゃったら…って考えると、本当おそろしいよ!無い話じゃないからね!でも廃ビルでも貘さんは言ってた。「100%勝つギャンブルなんてギャンブルじゃない」って。確かに思い返すと、貘さんはいつも勝利への道はしっかりと作っているけど、イカサマとかで絶対に勝利するシステムっていうのはやってない。だってギャンブルだから。ハラハラしなきゃ意味がないから。なんでしょうね。強心臓だし、まぁ、ギャンブル狂でもある。
梶ちゃんが純粋な疑問で、カメラで見られてるならカードを伏せればいいじゃん?って言った時の貘さんの
また君は… そういうことを…
んなあからさまじゃ 向こうは運任せで引くしかなくなっちゃうでしょ?
…それじゃ 負けるかもしれないじゃん
このセリフがとても好きなんです。なんかドラえもんみたいっていつも思う。のぶ代ボイスで。
そして目蒲くんと夜行さんの號奪戦という名の時間稼ぎへ。
目蒲くんはわりと人気あるみたいなんですけど、私は好きじゃありません。美形ではないよね…不気味だよね…。